切り抜き詳細
- 発行日時
- 2019/2/8 22:34
- 見出し
- 花籠
- 記事詳細
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ちりぢりに通夜客別れ冴返る
料峭や通夜席甘き花の籠まほろば句会の選者が亡くなられた。
この一二年めっきり足腰が弱られたが、直前まで元気に投句されて、最後は入院先で九十三の生涯を閉じられた。
初めて句会というものに参加したのは六年前、都度眼前の季題のとらえ方などやさしくご指導いただいたことが懐かしい。
この「料峭」という言葉を教えてくださったのが先生で、寒の戻りが厳しかった今日の風に似合う言葉であろう。
ホールの中は暖房もよく効いて、花籠の百合やカトレアなど甘い香りが会場いっぱいに広がっていたので、外との落差は大きく通夜の儀を終えても誰も語ろうとせずそれぞれ帰途についた。